看護師が、女性患者さんに男性ベッドを準備!
性格と仕事の向き不向き
人にはそれぞれ、仕事の向き不向きがあるものです。私はじっとしているのが苦手で、ナースになったのに、あるとき人事の都合でデスクワークをやることになりました。それも事務局にはりついて入退院の相談窓口を担当するのです。慣れない事務仕事が辛くてたまりませんでした。
転院患者さんの受け入れ手続きでミス
あるとき、私が転院患者さんの受け入れ手続きをやることになりました。前の病院に状態の問い合わせをして、看護サマリーを依頼し、院内の必要書類を書いて、病棟でベッドの準備をしてもらいます。すべての準備がおわって、さあ帰ろうとした時です。病棟から内線がかかってきました。主任からです。
「明日の入院さんだけど、男性患者さんでしょうね」
一瞬、事務長と顔を見合せました。事務長があわてて、書類を確認します。
「女性だよ」
事務長に言われて、目の前が真っ白になりました。電話の向こうでも、叫び声がしました。
ヒヤリハットの理由は
理由は簡単です。私が入院患者さんの名前から、かってに男性と思い込んでいたのです。
たまたま患者さんの名前が男性っぽい漢字を使っていたためで、保険証などで性別を確認するのを怠っていたのです。
不始末の後始末
それからが大変でした。なにしろ病棟では男性の6人部屋を用意していました。ベッドはいっぱいで、他には個室しかあいていません。が、個室となるとベッド代の差額が発生します。こちらの手違いですから、個室入院となっても家族に差額を請求するわけにいきません。
なによりも、病棟ではすべての準備を男性患者さんとして終えてしまっています。カルテも書きなおし、ドクターにも報告しなおしです。真っ青になって病棟師長に報告に行き、師長にベッドコントロールをしてもらいました。
結局、その病棟ではベッドの都合がつかず、状態の安定している患者さんに他病棟へ一時的に移動してもらうという大ごとになりました。
慣れない事務仕事のミスの後日談
翌日、なんとか入院手続きを終えて、二か所の病棟へ謝りにいきました。それぞれの師長さんからこってり絞られたうえ、担当ドクターには笑われる始末です。それでもその時は、他の病棟に空きがあったからなんとかなりましたが、そうでなければ患者さんはベッドがなくて入院できないところでした。
それ以来、どんな書類でも必ず性別はしつこいくらい確認するようになりました。病棟業務ならどんな簡単なことでも必ず2人以上で確認するのですが、事務方ではそうではありません。つくづくデスクワークって怖いなと思った経験でした。
プロとしてお給料を貰っている看護師も一般の事務仕事では意外な凡ミスをしてしまいました。
